今回は、先祖三代にわたる借地権付きの実家を、地主(底地権)との共同売却で、大変お世話になりました。


昨年父が亡くなり、母と姉と私は、かなり以前に住んでいた杉並区の実家を相続することになりました。父は80歳前後に脳梗塞を2回やり、リハビリをしながらも、祖父から受け継いだ、その老朽化した実家のことをずっと思い悩んでいました。その家は、長年厚意で貸していた年老いた親戚夫妻が居住しており、なかなか退去に応じてくれなかったのです。


散歩以外は外に出る事もなくなり始めた頃から、父は「あとは頼む」と、その解決を私に託しました。積年の資料を整理し、その借家人と裁判をすることになりました。辛い選択でした。 また地主に対し近いうちにこの家を解体し借地関係を解消したいので、解決するためのいくつかの提案をしていました。 その時の地主の代理人だったのが、税理士で不動産鑑定士の森田さんでした。
森田さんは借家人とのトラブルが解決したら、地主と共同で土地を売却しないかと、提案されました。私たちは、既に練馬区のマンションに介護等のため親子で近居していたので、この提案はすぐ受け入れることができました。しかし現実にはなかなか状況は進展せず、数年が過ぎて行こうとした年の秋、父が病院で息をひきとりました。


そして、それに前後するかのように裁判が決着し、借家人が退去することが決まりました。
その時、森田さんが、「いつも一緒に仕事をしている土地と住宅のプロです」と、紹介してくれたのが、アーバン・ライフ・クリエイトの橋本さんでした。初対面の時から、伝えるべきことを正確に伝えようとしている、まじめな印象を受けました。
私の仕事上、時間の制約もあり何度も会う事は難しいので、メールを使い作業の進捗状況や課題のポイントの連絡をお願いすると、翌週から最終の売買契約、引渡しに至る時まで、細大もらさず資料の添付も含め情報を送り続けて頂き、私が判断すべきことのポイントがよく理解でき、大変助かりました。


隣家との境界問題、私道の権利取得等、解決すべき様々な課題の中で、特に頭の痛いゴミ置き場の問題がありました。借家人が置き場の設置を私たちに無断で許可していたらしく、10数件分の膨大なゴミの山を前に途方に暮れていると、区の清掃局への交渉を通じて近隣の利用者の方にも理解が得られ、移転してもらうことが出来ました。
橋本さんには、解決策の検討を始め、関係者との交渉にいたるまで、全ての問題に取り組んでもらい、私たちが望む結果を出して頂きました。本当に感謝しております。


共同売却の方法は、戸建分譲会社へ入札を募るスタイルでした。依頼してから4ヶ月目、ようやく入札最終日を迎え11社から札が入りました。事前準備の成果もあってか、上位3社は、こちらの予想を超える高値に、彼も大変喜んでくれ、「これはベストプライスですよ!」とのことでした。
その晩は母と、父の墓前に「ようやく先が見えたよ」と報告しました。


落札した会社は地元の企業であったこともあり、その後の交渉は比較的スムーズであったと聞いています。しかし引渡しまでには、まだいくつかの解決すべき課題がありました。
隣家との境界上にある障害物、特に半世紀以上も前からある樹木の撤去の他、買主が計画する建築認可に伴う指導が、土地の予定面積を減少させてしまうという問題です。
彼は、これらの課題にもこまめに現地や役所に足を運び、解体業者や土地家屋調査士の方との連携で、関係者への理解を得て、限られた納期の中、良い方向で解消してくれました。
引渡しの際、買主の会社担当者が、こんなに事前に問題が解決されている物件は珍しい、と驚いていました。彼が丁寧に仕事をされていた事がよく伝わった取引でした。


解体業者も彼に紹介してもらいましたが、80年以上もの老朽化した家の解体にあたって、隣家に丁寧に配慮した作業とその進捗状況のメール等での細かな報告は、実に好感が持てました。その記録写真は思い出に取っておきます。


おかげさまで、積年の悲願であった借地権付き実家の売却も無事終わり、この夏、父の初盆を迎えます。決して扱いやすい物件ではなかったかと思いますが、短期間で丁寧かつ、売主の心情を察した細かいご対応には敬服し感謝いたします。 ありがとうございました。
(協力:森田税務会計事務所・測量:坂田登記総合事務所・解体:ムサシノ)